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Drug Eluting Stent(DES)使用についての「推奨」
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―2004年現在における我が国の状況を考慮して―
日本心血管カテーテル治療学会(JACCT)
DES使用ガイドライン検討委員会

2004年9月
はじめに

 去る2004年7月30日付けで、厚生労働省医薬食品局から「塩酸チクロピジン製剤およびCypherステントの適正使用について」と題する「警告」が関連5学会に送付された。本学会としてもこれを真摯に受け止め、特に条項(2)の後段「病変部(血管)の位置、対照血管径、病変長とその特徴、急性又は亜急性血栓症により危険にさらされる心筋領域の大きさを考慮すること」、および条項(3)にあるように「特に塩酸チクロピジン製剤の投与については、生命に関わる重篤な副作用が発生する場合があること」を受けて、ガイドライン検討委員会の提案として以下の2点について推奨することとなった。
 現在、本邦でもDES使用開始にあたり、データベースの作成が開始されている。そのエビデンスが出るまでのあくまで暫定的な推奨である。学会としてのガイドラインが作成されるまでの間、DES使用にあたって参考にしていただければ幸いである。
 
推奨1. DES使用にあたっては、3ヶ月以内にチクロピジン服用が困難になった場合の対処方法を事前に考慮して行うこと
  Bare Metal Stent(BMS)では、最短2週間1)、原則1ヶ月の抗血小板剤投与でステント血栓症は有効に抑止しえたが、DESでは最低3ヶ月の投与が必須とされている。一方、わが国で使える抗血小板剤チクロピジンは、10%前後で副作用等によって服用中止せざるを得ない状況が起こりうる2)。とりわけ、重篤な副作用(顆粒球減少、肝障害、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP))はその90%は2ヶ月以内に発生する。したがって、そのような場合の対処方法を事前に十分に検討してDES留置を行うべきである。
推奨2. 急性冠症候群(ACS)に対しては、DESの使用を慎重に考慮すべきである
  本邦においても、DESが使用されたACS症例でステント血栓症発生事例が報告され始めている。血栓形成が発生しやすい病態であり、加えてチクロピジンの前投与歴がない場合が多く、その3ヶ月使用継続可能であるかどうかも予測困難である。また、Cypher添付文書でも発生72時間以内の急性心筋梗塞は禁忌とされていることも十分考慮すべきである。

参考文献
1) Berger PB, Bell MR, Hasdai D, Grill DE, Melby S, Holmes DR. Safety and Efficacy of Ticlopidine for Only 2 Weeks After Successful Intracoronary Stent Placement. Circulation 99:248-253 1999.
2) Moussa I, Oetgen M, Roubin G, Colombo A, Wang X, Iyer S, Maida R, Collins M, Kreps E, Moses JW. Effectiveness of Clopidogrel and Aspirin Versus Ticlopidine and Aspirin in Preventing Stent Thrombosis After Coronary Stent Implantation. Circulation 99: 2364 - 2366 1999.

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